不眠症とはどのような状態か
公開日: 最終更新日:2026.08.10
単なる「寝不足」と「不眠症」の違いとは?
「最近、夜しっかり眠れない日が続いている」「昼間に強烈な眠気やだるさに襲われる」——このような症状に悩んでいませんか?
不眠症状自体は誰にでも起こり得るものですが、「夜間の睡眠トラブル」に加え、「日中の心身の不調や生活・仕事への支障」が週3日以上・1ヶ月以上慢性的に続いている状態を医学的に『不眠症』と呼びます。放置すると自律神経が乱れ、うつ病や生活習慣病の発症・悪化リスクが高まるため、早めのケアが大切です。
不眠症の4つのタイプと「日中の支障」チェック
不眠症は症状の現れ方によって4つのタイプに分類されます。複数のタイプが同時に重なることも少なくありません。
| 不眠のタイプ | 主な夜間の症状 | セットで現れやすい「日中の支障」 |
|---|---|---|
| 入眠障害 | 布団に入っても30分〜1時間以上眠れない | ・強い倦怠感、日中の激しい眠気 ・注意力、集中力、記憶力の低下 ・イライラ、気分の落ち込み、不安感 ・頭痛、肩こり、胃腸の不調 |
| 中途覚醒 | 夜中に何度目が覚め、再入眠に時間がかかる | |
| 早朝覚醒 | 起きたい時間より1〜2時間以上早く目が覚める | |
| 熟眠障害 | 睡眠時間は足りているのにぐっすり感がない |
不眠症を引き起こす「5つの原因(5つのP)」
不眠症の原因は1つとは限らず、以下の要因が複雑に絡み合っています。
- 身体的原因(Physical): 痛痒さ、喘息の咳、頻尿、甲状腺機能異常、鉄分不足(隠れ貧血)など
- 心理的原因(Psychological): 強いストレス、悩み、うつ病や不安障害などの心の不調
- 精神医学的原因(Psychiatric): 神経症、躁うつ病、統合失調症などメンタルの疾患
- 薬理学的原因(Pharmacological): 薬の副作用、カフェイン、アルコール、ニコチンの影響
- 生理学的原因(Physiological): 騒音・光・室温などの寝室環境、時差ぼけ、シフトワークによるリズム乱れ
当院での不眠症への鑑別・治療アプローチ
当院では、「不眠=すぐに強い睡眠薬を出す」という安易な治療ではなく、一人ひとりの不眠の根本原因を探る丁寧な診療を行っています。
- 身体的疾患を見逃さない多角的な検査: 丁寧な問診に加えて、必要に応じて血液検査(甲状腺機能・隠れ鉄欠乏フェリチン・栄養状態・炎症などの確認)や心理検査を行い、不眠の背景にある身体疾患や心の不調を多面的に確認します。
- 安心・安全を考慮した柔軟な治療提案: 依存性の少ない新しいタイプの睡眠薬や自律神経を整える漢方薬の調整、睡眠衛生(就寝前の過ごし方)のアドバイスに加え、背景にある抑うつや不安へのメンタルケアを組み合わせて根本改善を目指します。
- 主治医としての休職・環境調整サポート: 不眠症によって勤務や日常生活が著しく困難になっている場合は、主治医として無理をさせず休職診断書の発行や傷病手当金の手続き、復職時の勤務環境調整までしっかり支えます。
「たかが不眠」と放置したり、「薬に依存するのが怖い」と一人で我慢する必要はありません。体と心のリズムを取り戻すために、どうぞ気軽にご相談ください。