パニック障害とは
公開日: 最終更新日:2026.08.11
「パニック障害」とはどのような病気か?
「なんのの前触れもなく急に激しい動悸や息苦しさに襲われた」「『またあの発作が起きるのでは』と不安で電車に乗れない」「内科や救急で検査しても『異常なし』と言われて困惑している」——このようなつらさを抱えていませんか?
パニック障害は、突然激しい身体の不調(パニック発作)が起き、その恐怖から「また発作が起きるのではないか」という強い不安(予期不安)や、逃げ場のない場所を避ける行動(広場恐怖)が生じる心の疾患です。これは脳内の神経伝達物質のバランス崩壊や自律神経の過敏化によるものであり、決してあなたの「気が弱いから」「精神的に脆いから」ではありません。
パニック障害を形成する「3つの特徴的症状」
パニック障害は、以下の3つの要素が重なり合って進行・悪化していく特徴があります。
| 3つの要素 | 主な特徴と具体例 |
|---|---|
| ① パニック発作 | 何の前触れもなく、激しい動悸、胸の圧迫感、息苦しさ(過呼吸)、めまい、手足の震えや冷や汗、強い死の恐怖感が突然生じる(10分〜30分程度でピークを越える)。 |
| ② 予期不安 | 「またあの恐ろしい発作が起きたらどうしよう」という不安が頭から離れず、常に強い緊張感やプレッシャーを感じてしまう状態。 |
| ③ 広場恐怖(回避行動) | 電車、バス、地下鉄、エレベーター、人混み、レジの列など「発作が起きたときにすぐ逃げ出せない場所」「助けを呼びにくい場所」を恐れて避けてしまう。 |
受診の前に準備しておくと良いこと
「発作が起きていない時に受診してもいいのかな」と迷う必要はありません。受診の際は、以下のポイントを簡単にメモしてお持ちいただくと診察がスムーズです。
- 発作が起きた時の状況や場所(電車内、人混み、会議中、自宅でリラックス時など)
- 発作のときに出た一番苦しかった症状(激しい動悸、息苦しさ、めまい、吐き気など)
- 「また起きたらどうしよう」という不安や、避けたい場所・状況があるか
- 他科(内科・救急等)での検査結果や現在服用中のお薬(お薬手帳をご持参ください)
当院でのパニック障害への診療アプローチ
当院では、これまで恐怖や不安に必死で耐えてこられた患者様のお気持ちにどこまでも寄り添い、安心して心を開いていただける診療を心がけています。「気のせい」「考えすぎ」などと片付けず、お体と心の両面から主治医としてサポートいたします。
- 身体疾患を見逃さない多角的な鑑別: 丁寧な問診に加え、必要に応じて血液検査(甲状腺機能・貧血・隠れ鉄欠乏フェリチン・栄養状態等)や心理検査を行い、発作や動悸の背景に甲状腺疾患や貧血などの身体的要因が隠れていないかを多角的に確かめます。
- 体と心に優しい段階的な治療提案: 突然の発作や予期不安を安全に抑えるお薬や、自律神経を整える漢方薬の調整、無理のないステップで安心感を広げるメンタルケア(認知行動療法的アプローチ)を組み合わせます。
- 主治医としての休職・復職・環境調整サポート: 発作や広場恐怖により通勤や勤務の継続が著しく困難な場合は、即日の休職診断書発行や傷病手当金の手続きを行い、復職時にも会社・産業医へ向けた具体的で実用的な環境調整意見書(時差出勤や業務配慮等の記載)を発行いたします。
「このままどこにも行けなくなってしまうのでは」と一人で恐怖に耐え続ける必要はありません。発作や不安の波を落ち着かせ、自分らしい日常を取り戻せるようお手伝いいたしますので、どうぞ気軽にご相談ください。