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一人ひとりの心のお悩みに、
専門的なサポートでお応えします。

こんなお悩みはありませんか?

  • 誰かに見張られている、盗聴されているような気がして落ち着かない
  • 実際には聞こえないはずの声が聞こえることがある
  • 家族や友人に「様子がおかしい」「変だよ」と言われた
  • 考えがまとまらず、会話や仕事に支障が出ている
  • 感情の起伏が少なくなり、周囲との関わりを避けるようになった
  • 「これは統合失調症なのでは」と不安に感じているが、どこに相談すればよいか分からない
  • 家族が統合失調症と診断され、どう接すればよいか悩んでいる
  • 治療を続けているが、症状や副作用とどう付き合っていけばよいか分からない
  • 再発が怖く、日常生活に自信が持てない
  • 職場や学校でこれまで通りに振る舞えず、孤立感を覚えている
  • インターネットで症状を調べるほど不安が強くなってしまう
  • 主治医にうまく症状を説明できず、診察が短く終わってしまう
  • 家族として、本人にどう声をかければよいのか分からず疲弊している

統合失調症とは?

自分が病気かもしれない、でも頭がおかしいと思われたくない、そんなはずはないと思っていませんか。受診を勧めてあげていいのか、本人が怒ったら怖い、関わりになりたくない…。あると思います。

現在、診断技術も上がり、治療法も格段に進歩しました。むしろ以前は家で何も出来なかったのに、治療によって普通の母として妻として生活している方、会社員として働いている方が沢山いらっしゃいます。治療せず、孤立して生活する…治療しない方が勿体ないと思うくらいです。

統合失調症とは?

統合失調症は、思考・知覚・感情・行動など、心のさまざまな機能に影響を及ぼす精神疾患の一つです。

  • 脳内の情報処理のプロセスに何らかの偏りが生じることで、現実の認識にずれが生じると考えられている
  • 発症頻度はおおむね100人に1人弱程度とされ、決してまれな疾患ではない
  • 多くは10代後半から30代前半という、進学・就職・結婚など人生の節目にあたる時期に発症しやすいとされる
  • 性別による発症率に大きな差はないとされるが、発症年齢のピークにはやや違いがあるとの報告もある(男性はやや早期、女性はやや遅い傾向が指摘されることがある)
  • 「統合失調症」という名称は2002年に「精神分裂病」から変更された経緯があり、疾患そのものへの偏見を減らす目的があった
  • 単一の原因で起こる病気ではなく、複数の生物学的・環境的要因が組み合わさって発症すると考えられている
  • 適切な治療により症状をコントロールしながら、社会生活を送っている人も多くいる
  • 「性格が変わってしまう病気」「危険な病気」といった誤解が根強く残っているが、実際には症状のコントロールにより、就労や就学を継続している人も少なくない

統合失調症の位置づけ

  • 精神疾患の分類上は「統合失調症スペクトラム障害」というカテゴリーに含まれる
  • 気分の波を主症状とする双極性障害やうつ病とは異なり、思考や知覚のゆがみが中核症状とされる
  • 経過は人によって大きく異なり、急性期・回復期・安定期といった段階を経ることが多い
  • 一度の発症で経過が落ち着く人もいれば、再発を繰り返しながら長期的な治療を必要とする人もいる
  • 経過のタイプは大きく「単一エピソード型」「反復エピソード型」「慢性持続型」などに分けて説明されることがある

統合失調症をめぐる誤解と実態

  • 「多重人格」と混同されることがあるが、統合失調症と解離性同一性障害(多重人格)は全く異なる疾患である
  • 「必ず暴力的になる」というイメージが広まっているが、多くの当事者は暴力とは無縁の生活を送っており、こうしたイメージは偏見によるものが大きい
  • 「一度発症したら社会生活は送れない」というのも誤解であり、治療とサポートによって就労・就学・結婚生活を継続している人は多い

統合失調症の主な症状

統合失調症の症状は、大きく「陽性症状」「陰性症状」「認知機能障害」の3つに分類されることが一般的です。それぞれの特徴を押さえておくことで、本人や周囲が変化に気づきやすくなります。

陽性症状

本来はないはずの体験が加わる症状群で、急性期に目立ちやすいとされています。

  • 幻覚:実際にはない声や物音が聞こえる(幻聴)、視覚的なものが見える(幻視)などがある。特に幻聴の頻度が高く、悪口や命令的な内容の声が聞こえると訴えるケースが多いとされる
  • 妄想:事実と異なることを強く確信してしまう状態。「誰かに監視されている」「盗聴されている」と感じる被害妄想が代表的で、「テレビや周囲の言動が自分に関係している」と感じる関係妄想もみられる
  • 思考障害:会話にまとまりがなくなる、話の内容が飛躍する、支離滅裂になるなど。会話を聞いていても要点をつかみにくくなることがある
  • 自我障害:自分の考えが他人に伝わっている、あるいは他人の考えが自分に入り込んでくると感じることがある(思考伝播・思考干渉と呼ばれる体験)
  • 緊張病症状:まれに、体の緊張や不自然な姿勢の保持、逆に動きが極端に少なくなるといった症状がみられることもある

陰性症状

本来あるはずの機能が減退する症状群で、周囲からは「元気がない」「やる気がない」と見られやすい特徴があります。

  • 感情の平板化:表情の変化が乏しくなる、感情表現が少なくなる
  • 意欲の低下:物事に取り組む意欲が湧かず、活動性が下がる
  • 社会的引きこもり:人との関わりを避け、孤立しやすくなる
  • 会話の減少:発語量が減り、会話が続きにくくなる
  • 喜びの感じにくさ:以前楽しめていたことに関心を持てなくなることがある
  • 陰性症状はうつ病の症状と似ているため、見分けが難しい場合があり、専門医による丁寧な評価が必要になる

認知機能障害

  • 記憶力や注意力、計画を立てて物事を実行する力(遂行機能)が低下することがある
  • 情報を処理する速度が遅くなり、複数の作業を同時に行うことが難しくなる場合がある
  • 陽性症状ほど目立たないが、日常生活や就労に大きく影響することが多い
  • 本人が「頭がうまく働かない」と感じていても、周囲には伝わりにくいことがある

症状の経過における特徴

  • 前兆期(前駆期)には、不眠、不安、集中力の低下など非特異的な症状が現れることがあり、この時期は他の精神疾患との区別が難しい
  • 急性期には陽性症状が目立ちやすく、幻覚や妄想への対応が優先される
  • 回復期・慢性期には陰性症状や認知機能障害が前面に出やすいとされ、社会復帰に向けたサポートが重要になる
  • 症状の現れ方や強さには個人差が大きく、同じ診断名でも経過は一人ひとり異なる

統合失調症の原因

統合失調症の原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が組み合わさって発症すると考えられています。

生物学的要因

  • 遺伝的要因:近親者に統合失調症の人がいる場合、発症リスクがやや高まるとの報告がある。ただし遺伝だけで発症が決まるわけではなく、遺伝的な「なりやすさ」に環境要因が重なることで発症すると考えられている
  • 脳内神経伝達物質のバランス:ドーパミンなどの神経伝達物質の働きの偏りが関与していると考えられている(ドーパミン仮説)
  • 脳の構造・機能的な特徴:画像検査で脳の一部領域に特徴的な所見がみられることがあるとの研究報告がある
  • 周産期の要因:出生時の低酸素状態や、妊娠中の感染症などが、発症リスクにわずかに関与する可能性が指摘されている

環境的要因

  • 妊娠・出産期の何らかの影響
  • 幼少期から思春期にかけての強いストレスやトラウマ体験
  • 都市部での生活や社会的孤立など、環境的なストレス要因
  • 一部の物質使用(大麻など)が、特に若年期において発症リスクに関与する可能性が研究で指摘されている

誘因となりうる要因

  • 進学、就職、失恋、人間関係のトラブルなど、大きな環境変化やストレスが発症のきっかけになることがある
  • ただし、こうした出来事は「引き金」であって「原因そのもの」ではないとされる
  • ストレスに対する脆弱性がもともと高い人が、環境的な負荷が重なったタイミングで発症しやすいという「ストレス脆弱性モデル」で説明されることが多い

誤解されやすい点

  • 育て方や本人の性格の弱さが原因であるという説には医学的根拠がない
  • 誰にでも発症しうる疾患であり、特定の人だけがかかるものではない
  • 「気合が足りない」「甘えている」といった見方は誤りであり、こうした偏見が受診や相談の遅れにつながることがある

統合失調症の経過と予後

統合失調症の経過は一人ひとり異なりますが、一般的にいくつかの段階に分けて説明されることがあります。

経過の一般的な段階

  • 前兆期(前駆期):不眠、不安、焦燥感、集中力の低下など、非特異的な変化が現れる時期。本人も周囲もまだ「統合失調症」とは気づきにくい
  • 急性期:幻覚や妄想などの陽性症状が強く現れ、生活に大きな支障が出やすい時期。治療的な介入が最も重要になる
  • 回復期:陽性症状が落ち着き始める一方で、疲れやすさや意欲低下が目立ちやすい時期。焦らず休養を取ることが大切とされる
  • 安定期(維持期):症状が比較的落ち着き、社会生活への復帰やその継続を目指していく時期。再発予防のための治療継続が重要になる

予後に影響しうる要因

  • 発症から治療開始までの期間(未治療期間が短いほど良好な経過につながりやすいとされる)
  • 治療の継続状況や、本人が治療に主体的に関われているかどうか
  • 家族や周囲からのサポートの有無
  • ストレスの強い環境が続いているかどうか

経過に関する留意点

  • 一度症状が落ち着いても、ストレスや服薬中断などをきっかけに再発することがあるため、長期的な視点でのフォローが必要とされる
  • 経過は個人差が大きく、「多くの人がこうなる」と一概には言えないため、自身や家族の状況については主治医と相談しながら理解を深めることが望ましい

統合失調症の診断

統合失調症の診断は、精神科・心療内科の医師による問診や症状の経過観察を中心に行われます。

診断のプロセス

  • 本人および家族からの詳しい問診(症状の内容、始まった時期、経過など)
  • 症状が一定期間以上継続しているかどうかの確認
  • 他の疾患(うつ病、双極性障害、薬物やアルコールの影響、身体疾患など)との鑑別
  • 必要に応じて血液検査、脳画像検査(MRI・CTなど)を行い、身体的な原因を除外する
  • 心理検査を実施し、認知機能や心理状態を客観的に評価することもある
  • 家族から見た本人の変化についての情報も、診断の重要な材料となる

診断基準

  • 国際的な診断基準(ICD、DSMなど)に基づき、特徴的な症状が一定期間続いているかどうかで診断される
  • 一度の受診だけで確定診断がつくとは限らず、経過を見ながら判断されることも多い
  • 診断名が確定するまでに複数回の通院や検査が必要になることも珍しくない

鑑別が必要な疾患

  • 統合失調感情障害:統合失調症の症状と気分障害(うつ・躁)の症状が同時にみられる疾患
  • 双極性障害:躁状態の際に妄想的な症状が出ることがあり、鑑別が必要になる場合がある
  • 薬物・アルコールによる精神症状:物質の影響による幻覚・妄想は、統合失調症とは異なる対応が必要
  • 身体疾患に伴う精神症状:甲状腺機能の異常や脳の疾患などが、似た症状を引き起こすことがある

早期受診の重要性

  • 発症初期に適切な治療を開始することで、その後の経過が良好になりやすいとされる(早期介入の重要性)
  • 「様子がおかしい」と感じた段階で、早めに専門医療機関へ相談することが望ましい
  • 未治療の期間が長引くほど、回復に時間がかかる傾向があるとの報告もあり、早期対応が予後に影響しうる

統合失調症の治療法

統合失調症の治療は、薬物療法と心理社会的療法を組み合わせて行うのが基本です。

薬物療法

  • 抗精神病薬:幻覚や妄想などの陽性症状を抑える中心的な薬剤。ドーパミンの働きを調整する作用を持つものが多い
  • 定型抗精神病薬と非定型抗精神病薬があり、副作用のプロファイルなどを踏まえて選択される
  • 症状が落ち着いた後も、再発予防のために継続的な服薬が推奨されることが多い
  • 自己判断での急な減薬・中断は再発リスクを高める可能性があるため、医師の指示に従うことが重要
  • 内服薬に加えて、持続性の注射剤(長時間作用型注射剤)が用いられることもあり、飲み忘れの防止に役立つ場合がある
  • 副作用として、眠気、体重増加、手の震え、ホルモンバランスの変化などが現れることがあり、定期的な診察でのモニタリングが必要
  • 薬剤の種類や量は、症状の経過や副作用の出方を見ながら、医師と相談しつつ調整していくことが一般的

心理社会的療法

  • 精神療法(カウンセリング):病気への理解を深め、症状や生活上の困難と向き合うことをサポートする
  • 認知行動療法:考え方や行動のパターンに働きかけ、症状への対処力を高める
  • 社会生活技能訓練(SST):対人関係や日常生活に必要なスキルを練習する
  • 家族心理教育:家族が病気を正しく理解し、適切な関わり方を学ぶための支援
  • デイケア・作業療法:生活リズムの安定や社会復帰に向けた活動の場を提供する
  • 就労支援・リハビリテーション:就労移行支援事業所などを活用し、社会復帰や職場復帰を段階的に目指す
  • オープンダイアローグなどの新しいアプローチ:本人・家族・医療者が対話を重ねる手法も一部で取り入れられている

入院治療が検討されるケース

  • 症状が急性期にあり、自傷・他害のおそれがある場合
  • 自宅での療養が困難な場合
  • 薬の調整を集中的に行う必要がある場合
  • 本人が治療の必要性を理解できない状態にあり、家族や周囲の支援だけでは安全確保が難しい場合

治療における留意点

  • 効果の現れ方や副作用の出方には個人差があるため、医師と相談しながら治療方針を調整していくことが大切
  • 治療により症状が安定しても、経過観察や服薬継続が必要になることが多い
  • 「完治」という表現よりも「症状のコントロール」「寛解の維持」という考え方で捉えられることが一般的
  • 治療の継続には、本人が主体的に治療に関わる姿勢(アドヒアランス)を保てるよう、医療者や家族が支えることも重要とされる

利用できる支援制度

治療と並行して、生活面の負担を軽減するための公的な支援制度も用意されています。

  • 自立支援医療(精神通院医療):精神科への通院医療費の自己負担割合を軽減できる制度で、対象となる診断がある場合に申請できる
  • 精神障害者保健福祉手帳:症状の程度に応じて等級が定められ、税制上の優遇や公共交通機関の割引など、さまざまな支援を受けられる場合がある
  • 障害年金:症状により長期的に就労が困難な場合、一定の条件を満たせば障害年金の対象となることがある
  • 就労移行支援・就労継続支援:社会復帰や就労を段階的に目指すための福祉サービスで、生活リズムの立て直しにも活用できる
  • 精神保健福祉センター・保健所:本人・家族からの相談を受け付け、医療機関の紹介や生活支援についての助言を行っている
  • 訪問看護:看護師などが自宅を訪問し、服薬状況の確認や生活面の相談に応じる仕組みで、通院が難しい時期の支えになる
  • これらの制度は自治体や利用条件によって内容が異なるため、詳細は主治医や医療機関のソーシャルワーカー、自治体の窓口に確認することが望ましい

日常生活での工夫・セルフケア

症状の安定を保つためには、治療に加えて日常生活の整え方も重要な役割を果たします。

  • 生活リズムを一定に保つ:起床・就寝の時間や食事のタイミングを整えることで、心身の安定につながりやすい
  • 睡眠の質を大切にする:不眠は再発の前兆として現れることがあるため、睡眠の変化には注意を払う
  • ストレスとの付き合い方を見つける:無理のない範囲で運動や趣味の時間を取り入れ、ストレスをため込みすぎないようにする
  • 服薬を生活の一部として位置づける:決まった時間に薬を飲む習慣を作る、お薬カレンダーやアラームを活用するなどの工夫が助けになる
  • 相談できる相手や場所を持つ:主治医やカウンセラー、デイケア、ピアサポート(同じ経験を持つ人同士の支え合い)など、複数の相談先を持っておくと安心感につながる
  • 無理に一人で頑張りすぎない:不調を感じたときに早めに相談できる環境を整えておくことが、再発の予防や早期対応につながる

受診の目安

以下のような様子がみられる場合は、精神科・心療内科への相談を検討しましょう。

  • ありもしない声が聞こえる、誰かに見張られていると強く感じる
  • 会話や行動にまとまりがなくなってきた
  • 感情表現が乏しくなり、周囲とのコミュニケーションを避けるようになった
  • 不眠や強い不安感が続いている
  • 学業・仕事・家事など、これまでできていたことが急にできなくなった
  • 身の回りの整理や衛生管理が急に困難になった
  • 本人が症状を自覚できていないケースでは、家族など周囲が気づき、受診を促すことが重要になる

受診先の選び方

  • 精神科、心療内科を標榜するクリニックや病院が主な相談先となる
  • 初診の予約可否や対応可能な症状の範囲は医療機関によって異なるため、事前に電話やWebサイトで確認するとスムーズ
  • 症状が急激で緊急性が高いと感じる場合は、地域の精神科救急や相談窓口の利用も選択肢となる
  • 本人が受診を拒む場合は、まず家族だけで医療機関や地域の保健センターに相談し、対応方法を相談するという方法もある

受診前に準備しておくとよいこと

  • いつ頃からどのような変化があったか、時系列でメモしておく
  • 本人の言動で気になった具体的な発言や行動を記録しておく
  • 現在服用している薬やこれまでの通院歴があれば整理しておく
  • 家族から見た困りごとを整理し、診察時に伝えられるようにしておく

家族・周囲の関わり方

統合失調症は本人だけでなく、家族や周囲のサポートのあり方も回復に影響するとされています。

  • 症状について頭ごなしに否定せず、本人の体験として受け止める姿勢を持つ
  • 治療の継続を無理なくサポートし、通院や服薬を見守る
  • 家族自身が孤立しないよう、家族会や相談窓口などの支援を利用する
  • 「治療は本人だけの問題」と抱え込まず、医療機関や地域の支援機関と連携する
  • 病状の急変時にどこに相談すべきか、あらかじめ確認しておくと安心
  • 本人を過度に管理・監視するような関わりはストレスを高める可能性があるため、適度な距離感を保つことも大切
  • 家族自身の生活や心身の健康を犠牲にしすぎないよう、支援サービスや相談窓口を積極的に利用する

家族が抱えやすい悩みとその対処

  • 本人にどう声をかければよいか分からない:まずは本人の話を否定せずに聞く姿勢を心がけ、判断や説得を急がないことが助けになる
  • 自分の対応が悪化させているのではと不安になる:家族の対応だけで病状が決まるわけではなく、自分を過度に責めすぎないことも大切
  • 将来の生活や経済面への不安:福利厚生や公的支援制度、地域の相談窓口を早めに知っておくことで、見通しを持ちやすくなる
  • 家族自身の疲労やストレスの蓄積:家族会や相談支援機関を利用し、自分の気持ちを話せる場を持つことが、長期的な支援を続けるうえで重要になる

再発予防のためにできること

  • 服薬の継続状況を本人と一緒に確認する(強制ではなく、対話として)
  • 生活リズムの乱れやストレスの増加といった、再発の前兆となりうる変化に気を配る
  • 通院や治療について、本人の意思を尊重しながら継続をサポートする
  • 家族だけで抱え込まず、訪問看護や地域の相談支援事業所などの外部サポートを活用する

職場・学校での配慮

症状が安定してからも、職場や学校での過ごし方を工夫することで、無理のない社会生活を続けやすくなります。

  • 業務量や勤務時間の調整:主治医の意見書などをもとに、産業医や人事担当者と相談しながら、無理のない働き方を検討する
  • 休養が必要なときに休みやすい環境づくり:疲労や不調のサインを早めに伝えられる関係性を、上司や担当者との間で築いておく
  • 段階的な復帰:休職から復帰する場合、リハビリ勤務や時短勤務など、段階を踏んだ復帰プランを組むことが再発予防につながりやすい
  • 周囲への伝え方:症状の詳細をどこまで伝えるかは本人の判断に委ねられるが、必要な配慮事項だけを簡潔に伝える方法もある
  • 学校の場合の配慮:休学・復学の制度、通院との両立、学習支援やカウンセリングの活用など、学校側の相談窓口と連携することが望ましい

よくある質問

Q. 統合失調症は治りますか?
症状の程度や治療への反応には個人差があり、治療によって症状が安定し、社会生活を送れるようになる方も多くいます。一方で、長期的な経過観察や治療の継続が必要になるケースもあり、「完治」よりも「症状のコントロール」という視点で捉えられることが一般的です。
Q. 遺伝しますか?
近親者に統合失調症の方がいる場合、発症リスクがやや高まるとの報告はありますが、遺伝的要因だけで発症が決まるわけではなく、環境要因なども複雑に関わっていると考えられています。
Q. 薬は一生飲み続けなければならないのですか?
服薬期間は症状の経過や医師の判断によって異なります。自己判断での中断は再発リスクを高める可能性があるため、減薬や中止を検討する際は必ず主治医と相談することが重要です。
Q. 仕事を続けながら治療できますか?
症状の程度や職場環境によって異なりますが、治療を続けながら就労している方も多くいます。就労移行支援や産業医、職場の理解を得ながら無理のない働き方を模索することが大切です。
Q. 家族にできることは何ですか?
本人の体験を否定せず受け止める姿勢、通院・服薬の継続を見守るサポート、そして家族自身が抱え込みすぎず支援機関を活用することが挙げられます。
Q. どの診療科を受診すればよいですか?
精神科または心療内科が主な相談先です。症状に不安を感じた段階で、早めに専門医療機関に相談することが望まれます。
Q. 本人が受診を拒否する場合はどうすればよいですか?
まずは家族だけで医療機関や地域の保健センター、精神保健福祉センターなどに相談し、対応方法についてアドバイスを受けることが有効です。無理に説得しようとすると本人との関係が悪化することもあるため、専門家の助言を得ながら慎重に進めることが望まれます。
Q. 再発を防ぐために特に気をつけることは何ですか?
服薬の継続、生活リズムの安定、過度なストレスを避けることが基本になります。また、本人・家族・医療者が定期的にコミュニケーションを取り、変化に早く気づける関係を築いておくことも再発予防に役立つとされています。
Q. 症状が落ち着いていても通院は必要ですか?
症状が安定していても、経過観察や再発予防のために通院・服薬の継続が推奨されることが一般的です。通院間隔や治療方針については、主治医と相談しながら決めていくことが大切です。
Q. 利用できる公的支援にはどのようなものがありますか?
通院医療費の負担を軽減する自立支援医療(精神通院医療)、精神障害者保健福祉手帳、条件を満たす場合の障害年金、就労移行支援などの福祉サービスがあります。詳しい条件や申請方法は、医療機関のソーシャルワーカーや自治体の窓口、精神保健福祉センターに相談すると具体的な案内を受けられます。
Q. 症状が安定した後、以前のように働くことはできますか?
症状の程度や個人差はありますが、治療を継続しながら就労を続けている方、就労移行支援を経て再就職する方も多くいます。無理のないペースで、産業医や職場の理解を得ながら段階的に復帰を目指すことが一般的なアプローチです。
Q. 家族会やピアサポートとはどのようなものですか?
家族会は、同じように統合失調症の家族を持つ人同士が経験や情報を共有し、支え合う場です。ピアサポートは、当事者同士が経験を語り合い、回復のヒントや安心感を得られる仕組みです。いずれも、孤立感を軽減し、長期的な療養を支える資源として活用されています。
Q. 統合失調症の人と接するとき、してはいけないことはありますか?
幻覚や妄想の内容を強く否定したり、頭ごなしに論破しようとすることは、本人の不安や孤立感を強める可能性があるため避けたほうがよいとされています。話を聞く姿勢を保ちながら、対応に困る場合は主治医や支援機関に相談し、関わり方の助言を受けることが望まれます。

まとめ

統合失調症は、思考・知覚・感情・行動など心のさまざまな機能に影響を及ぼす精神疾患であり、決してまれな病気ではありません。原因は単一ではなく、生物学的要因と環境的要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。幻覚や妄想といった陽性症状、意欲低下や感情の平板化といった陰性症状、記憶力や集中力に関わる認知機能障害など、症状の現れ方は人によってさまざまです。

診断には問診や他疾患との鑑別を含む丁寧なプロセスが必要であり、早期に適切な治療を開始することで、その後の経過が良好になりやすいとされています。治療は薬物療法と心理社会的療法を組み合わせた継続的なアプローチが基本となり、本人の状態や生活環境に応じて内容を調整していくことが重要です。

本人だけでなく、家族や周囲の理解とサポートも、回復を支える重要な要素です。家族自身が抱え込みすぎず、医療機関や地域の相談支援機関、家族会などの外部サポートを積極的に活用することも、長期的に本人と家族双方の生活の質を保つうえで欠かせません。気になる症状がある場合は、一人で抱え込まず、早めに精神科・心療内科などの専門医療機関に相談することが大切です。

統合失調症と向き合う道のりは、本人にとっても家族にとっても長く感じられることがありますが、治療法や支援制度は年々整備が進んでおり、症状と付き合いながら自分らしい生活を続けている人は数多くいます。焦らず、一つひとつの情報を整理しながら、必要なタイミングで専門家の力を借りることが、安定した生活を続けるための大切な一歩になります。

※症状に心当たりがある場合は、一人で悩まずご相談ください。

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