うつ病と身体症状
公開日: 最終更新日:2026.08.11
なぜ「うつ病」で頭痛や胃腸障害などの身体症状が起きるのか?
「頭痛や強い肩こり、胃のムカムカが続いて内科を受診したけれど『異常なし』と言われた」「だるくて朝起き上がれないのに『なまけ』だと思われないか不安」——このようなからだの不調に悩んでいませんか?
うつ病といえば「気分の落ち込み」をイメージされがちですが、実は頭痛、首こり・肩こり、めまい、動悸、胃腸障害などの「身体の不調」が最初のSOSサインとして現れるケースが非常に多いのです。これは脳内の神経伝達物質(セロトニンやノルアドレナリン等)の減少や自律神経のバランス崩壊によって、全身の過緊張や痛み・不調の制御がうまくいかなくなるためです。決してあなたの「気持ちが弱いから」「怠けているから」ではありません。
うつ病に伴って出やすい「身体のSOSサイン」
うつ病や自律神経の過緊張では、身体のさまざまな部位に不調が現れます(仮面うつ病と呼ばれることもあります)。
| 身体の部位 | 出やすい主な身体症状・不調 |
|---|---|
| 頭部・首・肩 | ・締め付けられるような頭痛、頑固な首こり・肩こり、背中の張り ・ふわふわ浮くようなめまい、耳鳴り、喉の詰まり感(ヒステリー球) |
| 胸・心臓・呼吸 | ・突然の激しい動悸、胸の圧迫感や痛む感じ、息苦しさ(呼吸が浅い) |
| 消化器・胃腸 | ・胃のムカムカ、吐き気、食欲不振、過敏性腸症候群のような腹痛・下痢・便秘 |
| 全身・睡眠 | ・寝ても取れない重い全身倦怠感(だるさ)、朝一番の強い苦痛感 ・布団に入っても眠れない(入眠障害)、夜中や早朝に目が覚める(早朝覚醒) |
受診の前に準備しておくと良いこと
「内科で異常がないのに受診してもいいのかな」と躊躇する必要はありません。受診の際は、以下のポイントを簡単にメモしてお持ちいただくと診察がスムーズです。
- 一番つらい身体の不調とその時期(頭痛、倦怠感、胃の不快感、不眠などがいつからあるか)
- 他科(内科・頭痛外来・耳鼻科等)での検査結果や処方されたお薬(お薬手帳をご持参ください)
- 身体の不調に伴って現れている気分の変化(やる気が出ない、イライラ、焦り等)
- 日常生活や仕事にどのような支障が出ているか(朝起きられず遅刻する、休職を考えている等)
当院での「うつ病・身体症状」への診療アプローチ
当院では、これまで原因の分からない体調不良に耐え、周りに理解されず苦しんでこられた患者様のお気持ちにどこまでも寄り添い、安心して心を開いていただける診療を心がけています。「気のせい」「自律神経の乱れだけ」などと片付けず、お体と心の両面から主治医としてサポートいたします。
- 身体疾患を見逃さない多角的な鑑別: 丁寧な問診に加え、必要に応じて血液検査(甲状腺機能・貧血・隠れ鉄欠乏フェリチン・栄養状態等)や心理検査を行い、身体症状の背景に甲状腺疾患や鉄欠乏・貧血などの身体的な要因が隠れていないかを多角的に鑑別します。
- 体と心に優しい適切な治療提案: 自律神経を整え身体の過緊張や痛みを抑える安全性の高いお薬や漢方薬の調整、脳のエネルギーを回復させるメンタルケアを組み合わせ、体と心の両面から根本的な改善を目指します。
- 主治医としての休職・復職・環境調整サポート: 身体不調により勤務の継続が著しく困難な場合は、即日の休職診断書発行や傷病手当金の手続きを行い、復職時にも会社・産業医へ向けた具体的で実用的な環境調整意見書を発行してトータルサポートいたします。
「原因がわからない体調不良」は、身体からの大切なお知らせです。一人で抱え込んで我慢を重ねず、どうぞ気軽にご相談ください。